おとのば

2020.1.27、1.30 White Whiteレポ

1.30大阪のことも追加しました。

はじめに

アルバムが先日リリースされ、全曲を聴いた上でこのライブへの期待値がかなり上がっていた。良くも悪くも。
個人的に、ユニゾンのメンバーのやることだったらなんでも好きですというのは嫌で、しっかりと中身を見たうえで好きを公表したいと考えていた。その上でXIIXは、好きだ。だからこそ、期待値が上がりすぎていた。

実際に生で聴くとどうなのだろうか。
そこで感じたことを私なりの視点で語る。




レポ

演奏について

34歳新人とは何者か?
それを考えさせられるものだった。言ってしまえば、彼らは新人だけど新人じゃないんだよね。バンド結成前から、それぞれのフィールドでキャリアをこれでもかってほど積んできているから。その実力を大いに見せつけられた。

1曲目「E△7」から始まる。
この曲は、SK's Session3*1でもやっていた曲ということもあり、SK3を経てからのXIIX結成という繋がりを感じられる。
後のMCで斎藤が「1曲目のとき、こちらからは客席の方が見えない照明だっんだけど、誰も動いてなくて……嫌われてるのかな?と思った」なんて語っていたが、このバンドの場合、体を動かすというより、聴き入ってしまう曲が多いんじゃないか?と思った。

ライブならではの演出として、「Light & Shadow」の"微かな光も〜”の部分で、キーボードの音が追加されていた。ストリングスの伸びやかな音に感動していた音源だったが、そこにキーボードの音も追加され、さらに深みが増す。照明も華やかな演出に一役買う。光を浴びた斎藤、須藤の影が大きくステージ上に映し出されていた。(公式インスタの2枚目)※大阪では、影が斎藤のみに変更。
斎藤の高音、低音を織り交ぜたあのフレーズはライブでかなりドラマチックに演奏されていた。

特に2人の技術面にやられたのは「4:43 AM」「曙空をみつけて」「5:03 PM」「夕映えに紛れて」あたりだろうか。
ベースだけの曲という全く新しいものを見たが、ベースってこんな音も出せるのかという気付きにもなった。特に、自分の中のベース像として、単音を弾くというイメージがどうしてもあったのだが、この2曲については和音も織り交ぜられていた。須藤のベースは、主張し過ぎず、音楽を包み込むような丸さがあると思う。
静けさの中で響くベースと斎藤の声には緊張感が漂っていた。
その後、ステージに1人残る斎藤。
「5:03 PM」でループをひとつ、ふたつと重ねていく。本当に1人で演奏していた。斎藤のギターソロといえば、「Answer5」のようなギラギラしたものをどうしてもイメージするが、あんな落ち着いた音をしっとりと弾きこなす姿も色気があって良い。
さらにふたつループを重ねる。合計4つのループを重ねて「夕映えに紛れて」が始まる。この曲はイントロやアウトロくらいしか実際にギターは弾いていない。あとは全てループで完成される。(インスタ4枚目がループ作るところから歌うところまで全て映されている)
かなり凄いことをしていたのに、涼しい顔をしてやってのける。34歳新人とは……?
一通り歌い切ったあと、1番初めに作ったループを消す。そして、ほかのメンバーも含めたバンドサウンドverの夕映えに紛れてが始まる。ギターのみの原曲も良いが、バンドアレンジも深みが増して良い。

そして、さっそく新曲も披露される。
須藤は「最初はこういうライブを想定していなかったから、今苦労している」というような話をしていた。確かにアルバム曲はライブで盛り上げていこう!という熱をもった曲とは少し違う気がする。
だが、あとから制作された新曲はライブを意識しているように感じた。
そう感じた要素にテンポがある。自然と体が動く。かと思ったらサビで急にテンポダウンしてくる。伸びやかな音で構成される曲は須藤の得意分野だろうか?そんな須藤の得意分野を入れつつ、ライブも想定された折衷曲だと感じた。この曲が入るであろう次のアルバムが早くも楽しみになった。

会場の空気があたたまってきた頃にやってきた「Answer5」。ここでバンドメンバーの紹介が入る。
斎藤がキーボード→ドラム→ベースの順に「オン ○○(楽器名) 名前」という形で紹介していく。最後、自分のことを何と紹介するのだろうか?と思っていたら、「おれぃっっっ」って言ってニコニコしながらステージの前方に出てきた。なんだそれ、かわいいじゃないか…と思っていたら、めちゃくちゃかっこいいギターソロを披露する。そのギャップは最高にずるいし、彼の最強な武器である。
大阪での同曲は、キーボード、ドラムのソロのときに、斎藤、須藤がソロをやっているサポートメンバーの近くに行き、座り指さしてアピールするなどの余裕があった。更に、それぞれのソロの中に少しギターの音を入れていた。これは東京でもあったのか、記憶にないのだが……。

本編最後は「Stay Mellow」で締める。自分で作詞したとはいえ、あんな早口なラップができるのはさすがとしか…。このあたりで、須藤が下手側から上手側に来た。その時の表情を見て、彼もまた楽しんでいるというのが伺えて安心した。
アンコールではまた、新曲を披露する。彼らの創作意欲が早くも10曲という数多い新曲を作らせているようだ。多作なのは、どこかの誰かさんに似ている。

時間にして90分。そのうち20分くらいは喋っていたのではないか?初ライブで曲数も少ない中でのワンマンライブということもあり、あっという間に終わってしまった。個人的に、「LIFE IS MUSIC!!!!!」はもったいなかったと思う。(大阪では変更あり。1Bで須藤が頭上で手拍子をしたら、会場中で手拍子が始まり、そのままサビで手を挙げるファンがあちらこちらで見られた。ここで会場が温まり、メンバーも安心したかのような笑顔を、間奏で向き合ったときに見せた。)

大阪の変更点まとめ
・「Light & Shadow」「LIFE IS MUSIC!!!!!」頭に斎藤が曲名を言う。
・LIFE IS MUSIC!!!!!にて前述のように須藤が煽る。

緩さあふれるMCについて

はっきり言うと、ゆるい。非常に緩い。「こんなにグダグダしたライブをやるのは久しぶり」と斎藤本人も話していたが、本当にグダグダした流れだった。でも、本人が言うようにそれが武器となれば、このバンドは演奏とMCとで立派すぎるギャップが生まれるから、強いと思う。

MCで話していたことの中から私が印象に残ったことだけを残していく。

グッズの話
須藤がデザインしたという。
斎:はい!聞きたいことがあります!
須:宏介が聞きたいことは、ここにいる全員が聞きたいことだと思う。
斎:「トンテくん」って、誰?
須:え、トンテくん
斎:人間?ジャンル!!
須:しょくぱんくんみたいなものだよ。
斎:今やっと腑に落ちた。
(私:ここで腑に落ちないでください…)
トンテくんの表情は、泣き笑いとのこと。「テントくん」だとそのままじゃんということで、「トンテくん」になったそう。

曲数足りない件
本編にて、曲数足りないから…
斎:ゲームコーナーやる感じじゃないし…
須:幼少期からのスライド流せば?
斎:…ああ、それやればよかったね!
(私:斎藤さんは相変わらず、人の変わった提案も素直に受け入れるよな笑)

アンコールでは…
斎:今でちょうど60分ちょい?曲数少ないからさ。すまんねぇー、すまんすまん。また来てよ!

あとは、「(ワンマンライブを)やらされている」と間違って言ってしまった斎藤。でも、そこから発覚したのは、このタイミングでワンマンライブをやると言い出したのはほかでもない斎藤宏介であったということだ。彼がこのバンドにかける本気度が伺えた。

《大阪》
MCすべきところで、キーボードのイントロが始まってしまうも、「何かありました??」ととぼける2人だった。

斎「僕ら、34歳ピチピチの新人なんですが、キャリアは長くて……」
(会場内笑いに包まれる)
斎「何だよー、おい、何がおかしいんだよー!」(笑いながら怒る斎藤)

ほかにも多くのことをステージ上で二人で話していた。非常に緩くて、そのときだけはのんびりとした時間が流れる。初めてのワンマンだから仕方ないゆるさだと思うが、今後は曲も増えていくし、斎藤の言葉を借りると「突き放す」くらいの勢いになっていくのではないか?という期待感が生まれた。

備忘録

斎藤使用機材
Fenderの赤いストラト(メイン)
Fenderの白ジャズマスター(Light & Shadow、新曲2)
・アコギ(Fantome、Saturdays)

立ち位置
上手に斎藤、下手に須藤

衣装
東京、大阪共通
斎藤:白シャツ、真ん中が茶(赤っぽい)、グレーの模様が入っている。袖が白、茶が重なるデザインのため、腕まくりはしない。形はユニゾンと同じ
須藤:黒シャツ

さいごに

私の個人的な考えとして、今回のライブ2本はあくまでお披露目であり、アルバムのライブとしては6月が完成形だと思う。
今回のライブと6月のライブでは、おそらくガラッと雰囲気を変えてくるだろう。(大阪ではこのような発言を斎藤もしていた。)

正直に言うと、東京でのライブは、不安になるグダグダさも多少はあった。ファンがどう楽しんでいいのか分からずにいるような探り探りな部分も。恐らく、メンバーもそれを感じ取ったのだろう。煽る部分があったり、曲名を言ったり……何よりもステージ上のメンバーが誰よりも率先して楽しんでいる姿があったりと、大阪では変化が多く見られた。
その変化があるから、これから先の活動への楽しみが増した。

34歳新人。新人にしてハイスペックな演奏、そして新人らしい初々しいMCを見せてきたXIIX。私は、彼らの音楽空間にもっと浸っていたい。


White White
2020.01.27 @赤坂マイナビBLITZ
2020.01.30 @ 大阪 BIGCAT

SE:White White

E△7
LIFE IS MUSIC!!!!!
XXXXX
Light & Shadow
Fantome
4:43 AM
曙空をみつけて
5:03 PM
夕映えに紛れて
Saturdays
新曲①
ilakusa
Answer5
Stay Mellow

EN:新曲②