LIVE(in the)HOUSE COUNTDOWN STYLE レポ
はじめに
コロナウイルスに踊らされていたら、あっという間に2020年が終わってしまった。どんな1年だっただろうか。
ユニゾンに関していうならば、15周年が終わって普通のロックバンドに戻る…予定だった1年なのだが、そうもいかなかった。
この時代であるが故に訪れた特別な企画の数々、その最後を飾る配信ライブについて、思うままに感想を語っていきたいと思う。
ライブレポ
今回は、ライブ部分とトーク部分とで構成されていた。
トーク部分は、夏に行われたリクエスト投票の結果についてと今年1年のライブの簡単な振り返りという内容になっていた。
ランキング結果については、こちらの記事でまとめましたので、よければ覗いてみてください。
usg-0v0.hatenablog.com
この記事では、ライブ部分をメインに書いていきます。
この日のライブは、まずは8thアルバム「Patrick Vegee」を全曲演奏するというメインディッシュから入る。
演出としては、メンバーのバックにあるスクリーンにアルバムのアートワークが映し出される。それだけ。
2020年になってから初めて、後ろに映像を背負うことをしたバンドだったが、その演出も演奏を邪魔するものではなく、わりと控えめな使い方をされている。そして、それ以上の派手な演出は今回も用いられなかった。
それでは、以下で各曲について見ていく。(オタクの独り言くらいの温度感でどうぞ。)
Hatch I need
音源よりもライブの方が丸みがあるように聞こえた。微妙にBPM落としてるからだろうか。
アルバムツアーをやると、何十回と回を重ねるごとに味が出てくるようだが、この曲もやりまくっているうちに音源のような尖り具合が出てくるような気がしている。
そして、斎藤のギターがないところでの手癖は好んでいる人も多いかと思う。
マーメイドスキャンダラス
最初に言っておきたいのが、私のこのアルバムの推し曲はこれだってことだ。アルバムの1曲目は、おまけ要素ありで通常のユニゾン曲とは少し離れたジャンルになっているのもあって、2曲目で、ユニゾンらしさというのが存分に出る気がしている。そのユニゾンらしさという部分になぜだか安心感を覚えてしまったのが、「マーメイドスキャンダラス」の第一印象だった。
それはさておき。
演奏するのがとにかく難しそうだったこの曲、本当に人力で演奏してた。
「2Aでどうにかなりがち」と本人が語ってた激しいドラムも、カメラでしっかり抜いてくれていた。
マーメイドの嘘が嘘である限り 何回でも朝日は昇るから
の照明が朝日感あって物語の再現のように感じた。
そして、この曲は特に田淵のコーラスが美しさを増していた。
スロウカーブは打てない
最初は3人で向き合いながらスタート。マーメイドスキャンダラスが終わった安心感も少し伺える。
1サビ後のギターソロにて、田淵がぴょんぴょんしながら斎藤に近づいてくる。(のちにもっとソーシャルディスタンスを無視したことになるとはこの時、誰も思いもしなかった。)
コーラス少なめだからか、普段通りステージ上を動き回る田淵が見られるのもこの曲の特徴だろう。
Catch up, latency
やり慣れた曲がここに来て登場。安定感もある。(にしてもアルバムの曲順にやると序盤にキー高い曲が続いて大変そう)
”応答せよ” の歌詞に合わせた田淵の指さしは今回も健在。
間奏では田淵、鈴木が向き合う形になっていた。田淵が来るとドラムが盛り上がるというのもオーディオコメンタリーで触れられていたが、その瞬間を見るのは個人的に快感である。
ラストは3人で向き合って締める。この時既に、顔にかなりの汗をかいている斎藤。激しいギターと高音続きのボーカルだし致し方ないか…。
摂食ビジランテ
音源よりギターの音が大きめ。そして、1番のギターのミュート音だけのところもアレンジでドラムも入る。
照明が薄明るい赤、所々で白に変わるというもので、シリアス感が漂っていた。
個人的には、2018年CDJでの「WINDOW開ける」みたいな使われ方をして欲しい曲だなと感じた。
夏影テールライト
少し間を空けて、斎藤と鈴木が目配せしながらタイミング合わせて曲が始まる。
この曲はツアーでも披露されていたのもあり、完成度が上がってる。
特にBメロの斎藤、田淵のハモリがとても綺麗だし、音の厚みも増していた気がする。
照明は暖色が映えるし、夏を彷彿させる。
Phantom Joke
「夏影テールライト」のラストのフレーズと繋がる曲だから、ライブの演出としても間髪開けずに始まる。
この曲も2020年に、ライブを重ねながら完成度を上げてきた曲だと思う。やはり初披露の日と比べても圧倒的に音の厚みが今日の方がいい。
世界はファンシー
鈴木の1.2.3.4のカウントで始まる。(このカウントを加味して、歌い出しが5.6 the world is fancyなんだろうな)
カメラが田淵の動きを追うのが大変そうだった。その横の斎藤の手も忙しなく動いてる。
2番では、カメラに向かって”二次関数などマジチョロい 歴代将軍とかもマジチョロい”と口パクで歌いながらアピールする田淵だった。
ユニゾンの得意技の1つとも言えるであろう曲調なだけに力抜いてやってる印象を受けたし、完成度もわりと早い段階から高かった。
弥生町ロンリープラネット
初っ端イヤモニを触る斎藤。
この曲は高音が少ないのもあり、斎藤の声が心地よく伸びる。
ラスサビになると、バラードではあるが、ドラムが激しくなる。音源自体もそうだが、このライブは更に激しさを増していたと思う。
春が来てぼくら
”そして僕らの春が来る”から綺麗にイントロが繋がる。鈴木が同期を流す瞬間もしっかりカメラに抜かれていた。
鈴木がイントロのストリングスの音に合わせてスティック打ちするのもライブならではのアレンジ。
”今じゃなきゃ分からない答がある” の田淵の表情がとにかくずるい。この曲には並々ならぬ思いがあるであろう田淵の顔を見ているとなんだか泣きそうだった。歌詞の説得力増し増しで、これだからユニゾンから目が離せないんだよなと思う。
Simple Simple Anecdote
個人的に斎藤が体を揺らす一環で足を軽く上げる仕草が好きである。
ギターのみになる落ちサビ、真っ直ぐ前を向きながら歌う斎藤に言葉の重みが増していた。この時代だからこそ響く歌がここにはあるのだなと思う。
101回目のプロローグ
間髪開けずに斎藤が歌い出す。
この曲は田淵のコーラスの重要性が分かる曲だった。音源顔負けの音の厚み…。
これについては本当に初披露ですか?と聞きたくなるくらいの完成度だった。
トークパートを挟んでライブ後半戦が始まる。
ここからバックのスクリーンがバンドのロゴに変わる。
光のどけき春の日に
ワースト2位の曲を本当にやるあたりさすがとしか。この面白さを狙っていたんだろうな。
ピンクの照明のため、シンバルもピンク味がかっていた。
バラードとなると田淵の表情が優しくなるのが見どころだと思う。そして、これまたサビのハモリが良い。この曲がなかったら夏影テールライトはなかっただろう。
リニアブルーを聴きながら
照明が水色と黄色。リニアブルーという色をイメージしたものなのだろうか。その照明の加減で、サビ前にはメンバーの影がスクリーンに大きく映し出される。
慣れた曲なだけに、田淵の動きがとにかく激しい。2番にて、普段シュガーソングとビターステップでやってる両手人差し指を天に向かって突き出す手の動きが登場。(そういえばシュガビタ最近聴いてないな)
間奏では、ギターソロをする斎藤を下アングルから見ることができる場面があったが、いい笑顔だった。
ピストルギャラクシー
まさかのカップリングが登場だ。そして、リニアブルーと宇宙シリーズで繋げてきた。
イントロのピストル音で照明に打たれる仕様は、昨年のツアーと同じだった。
斎藤の手癖が見られるという意味でもよき曲。
ワールドワイド・スーパーガール
2年前の大晦日でも演奏されていたが、そのときは田淵が声出なくて…というエピソードがあるこの曲。
やっぱりこの曲にコーラスは不可欠だ。
2Aで田淵が斎藤に近づく。そのまま背中にぴったりくっついてしまうのだが、もはやソーシャルディスタンスとは?状態だった。斎藤も歌っているときこそ、平然としていたが、1フレーズ終わると田淵の方を見て思わず笑ってしまう。
間奏の最後、斎藤が一人でスーパーガールっていうところの巻き舌がすごい。そして、今回は鈴木の声に惑わされずにラスサビを歌い出せていた。
天国と地獄
お久しぶりです、この曲。今回は、かなり軽くトマトを投げていたし、近年ネイティブになりつつあったシャケも日本語っぽさが強かった。
センチメンタルピリオド
武道館や舞洲で披露されたときと同じセッションを使っていた。3人で向かい合いながら。そして、過去のその二つのライブと同様、斎藤の「センチメンタルピリオド」というタイトルコールの後でイントロに入る。
どの曲にも田淵なりの思いがこもっているとトーク部分でも触れていたが、それが大きく表れるのがコーラスないところでも全力で口を動かして歌っているという場面だ。この曲でもそんな場面が何度か見られた。
ロックだけで暮らしていけるなんて言い訳にしか聞こえません
のロックを力強く歌う斎藤だった。
間奏では、前に斎藤が出てきてカメラにかなり近づいていたら田淵がやってきて、カメラから近いところで二人向き合う。最後は斎藤がカメラに指差しをして戻る。
少しの静寂の後で、高性能のヘッドフォン~と歌い出すのだが、そのあたりから時間表示が画面に出る。23:58くらいだった。
曲を締めるのが00:00:00となるよう計算されていた。年越しと同時にスクリーンには「A HAPPY NEW YEAR」の文字が映し出される。
年越しについて大きく触れるでもなく、曲が終わったら年越してたね~!くらいの軽めのテンションであったのがまた、このバンドらしかった。
暗転してから、2021年の活動計画がいくつか紹介されたのちに、舞洲ライブ以降、バンドとファンの間で合言葉と化しているこの言葉が映し出される。
「SEE YOU NEXT LIVE」
あとがき
普通とは程遠いロックバンドの1年が終わった。普通ではなかった世界だが、ただ新曲を作って、どんな形だとしてもライブして楽しむという部分ではいつも通りのUNISON SUQARE GARDENだった。
2021年以降もどのような形で音楽を楽しめるのかよくわからない。それでも、できる形で私は好きな音楽を捕まえにいきたいと思っている。
斎藤:ピンクシャツ
田淵:数字のTシャツ
鈴木:黒の新衣装
2020年12月31日 @自宅
1.Hatch I need
2.マーメイドスキャンダラス
3.スロウカーヴは打てない(that made me crazy)
4.Catch up, latency
5.摂食ビジランテ
6.夏影テールライト
7.Phantom Joke
8.世界はファンシー
9.弥生町ロンリープラネット
10.春が来てぼくら
11.Simple Simple Anecdote
12.101回目のプロローグ
13.光のどけき春の日に
14.リニアブルーを聴きながら
15.ピストルギャラクシー
16.ワールドワイド・スーパーガール
17.天国と地獄
18.センチメンタルピリオド