おとのば

LIVE HOLIC extra vol.4ライブレポ

はじめに

当初、3月に開催されることになっていた「LIVE HOLIC extra vol.4」だが、コロナウィルスの影響で中止となってしまった。私にとっては、初めて中止になったライブがこれだったため、大変悲しく思ったのは今でも覚えている。
それが、主催者の方々の思いの強さが実って、この度、アコースティック編成という形で開催する運びとなった。ライブの中止は、今でも悲しく思うが、普段見られない音楽を見ることができたという意味では、とても有意義な時間が過ごせたと思う。

ということで、斎藤宏介がバンドを代表してソロで弾き語りをしたライブのレポを記事にしたいと思います。
今回は、手書きとブログの融合です。

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トーク

今回のイベントは、転換の間も視聴者を楽しませてくれるトークが展開された。インタビュー形式となったトークの模様をまずはお届けしたい。

―本日はご出演いただき、ありがとうございます。
こちらこそ。

―本当は3月にZeppTokyoで5バンドで行うはずのライブだったのですけど、アコースティック編成ということで……
ねー、そうですねー。

―(出てくださり)ありがとうございます。
いえいえ。

―3月、4月の自粛期間、バンドとしてはどのような活動を?
バンドとしては完全に顔を合わせることもなく、それぞれがそれぞれの時間を過ごすという感じでした。

オンラインライブについて

UNISON SQUARE GARDENがオンラインライブをやるって、ファンの皆さんにとっては驚きだったと思うのですが……
あー、そうなんですね!

―どんな準備で臨んだか。
なかなか一言で言うのは難しいんですけど、今このご時世で配信ライブというと、自分たちの抱えてるファンに向けてのコンテンツだと思っていて、そういう人たちに今もUNISON SQUARE GARDENが動いてるというのを伝えるべくというのが1個と、あとはUNISON SQUARE GARDENがやってて楽しいよねっていう内側の大事なところも1個、それを満たすためにやりました。

―リクエストライブだったんですよね。
ファンからやって欲しい曲を3曲ずつ募って、それを元にセットリスト組んで……

―とても見応えのある2時間だったなと思うのですが、また8月にも予定してるという……
はい、そうです!

―今度はどんなオンラインライブになりそうですか?
ちょっと趣向変えて……
前回が東京のNHKホールというところでやったんですけど、ステージ上でできる最大限のことはやったかなっていう感じはするので、もうちょっと配信ライブならではのことをやろうかなって次は思っています。

「Patrick Vegee」について

―9/30にアルバムが……
そうです!!

―そのアルバムについて詳しくお聞きしたいと思うのですが、月並みですがどんなアルバムになりましたか。
めちゃめちゃかっこいいアルバムが出来ました。あの、8枚目になるんですけど、回数重ねる毎にずっと最新が1番好きでいられるっていうのはバンド冥利に尽きるなと思っておりまして。今回も漏れなく今1番好きなUNISON SQUARE GARDENのアルバムになってると思いますので、ぜひ聴いてほしいなと思っています。

―(アーティスト写真も)斬新だなと思っていて……
ねぇ、にんじんのオブジェがあるやつなんですけど……

―あれはどういう意図でにんじんに至ったのですか。
あれは、メンバーの言うことを「うん、いいよ」と言い続けていたらああなってました笑

―目立ってました。
うん、かっこいいですよねー!

―アルバムのタイトルの意味は?
よくわかんない……です。
うちのバンドって、ベースの田淵っていう奴が曲を作っているので、まあ彼の脳内にそういうワードがあったっていう。
だいぶUNISON SQUARE GARDENの中でもいろんな音楽をやりながら、今回はかなりミニマムというか、3人でしか出来ないようなことを、変にスケールをおっきくすることもなく、ちゃんと3人のまんまキバキバな演奏ができているので、すごいアルバムになっております。聴いてください。

今日の意気込み

―弾き語りライブの意気込みをお聞かせください。
意気込みね、ほんとに語弊なく言うけど、僕弾き語りライブをやるのがあんまり好きじゃなくて。ていうのも、それを生業としてる方に敵うわけないと思ってるから、やっぱりその弾き語りのために曲作ってツアー回って、またアルバムを作ってみたいなことをやってる方と比べたらそりゃあ劣るから、あんまり簡単な気持ちでやりたくないなというのはあったんですけど、今回に関してはその、今お話してる方なんですけど、どういう思いでこのイベントをやってるかというのを飲み仲間として知ってたので、そこに応えたいなということと、あとさっきも言ったんですけど、配信ライブってやっぱり、現状は自分の抱えてるファンに向けてのみのコンテンツだと思ってるので、今日みたいにちゃんと対バン形式でやるものをお客さんにも楽しんでもらえるというのは、これからの課題なんじゃないかなっていう風に思っていて、そこの取っ掛りみたいなものになれたらいいなと思っていますし、さっき内澤さん(androp)のライブを後ろから見てたんですけど、めちゃめちゃ良くて、なんかこう「うわぁぁぁ対バンライブだ!!!!」みたいな、それがすごく楽しくて。それがまたコロナが明ける明けない別にしても、当たり前にできてちゃんと商業的にもお客さんに楽しんでもらうという意味でも成り立つような世の中になったらいいなという風に思うので、それに向けての第一歩といいますか、やってみようかなっていう感じです。

―続いてのアーティストをご紹介頂きたい
はい、楽屋が一緒で「曲順全部言ってやる!」って言ったらすごい苦笑いされたんですけど、紹介したいと思います。続いてのライブアクトは緑黄色社会です!

ライブ


静かにループを作り、そのまま3つ重ねる。バンドでやるところのドラム、ベース、コードを弾くギターにあたるパートをループにしている。
そのまま歌い始めたのは、「meet the world time」だった。BPMはわりとゆっくりだ。ゆっくりではあるが、多くの人が想像している弾き語りとは全く違うものを彼はやっていた。
というのも、弾き語りでイメージするアコースティックギターではなく、エレキギターを使っていた。

曲中は、ほぼループに頼っていて、歌ってる時はギター控えめ。サビで初めてコード弾きをする。そして、サビ終わったらゴリゴリのギターソロだった。これもまた、弾き語りがイメージする演奏とは逆を行っている気がする。さらには1番と2番でギターが違う。この1曲で、斎藤宏介というギタリストの様々な姿が見られた気がした。

曲終わると、会場から拍手をもらい、初めて笑顔を見せる。安心したようにも見えた。

そして、ギターをエレアコに持ち替える。4月にFenderの動画で紹介されていたあのギター、さっそくお披露目されるのかと私の高揚感が止まらない。

UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介です。よろしくお願いいたします。出演者の方たちがしっかり見てくれてありがとうございます。
対バン最高っすね。」

と笑顔を見せながら挨拶をする。さらに意外な言葉が続く。

「友達の歌を歌います。」

歌い出したのはsumika「Lovers」だった。sumikaといえば、ユニゾンと同じくLIVE HOLICの東京公演に出演することになっていた。だが、今回はスケジュールが合わず出演できず。そんな彼らを思って斎藤はこの曲を選んだのだろう。
エレアコのアコギの音色を使って、アルペジオでしっとりと歌い上げる。
ニゾンの曲を歌っている時には見られない、譜面台をちらちら横目で見るその姿も新鮮だった。その顔すらも優しかった。
転調後の最後のサビでは、「離さぬように」というフレーズにアレンジある。そのアレンジと斎藤の声がまたマッチしていて甘いものを感じる。
歌が終わると同時にコードでアウトロを力強く弾きあげる。


譜面台から楽譜を持ち上げながら(裏にバツマークで磁石ついてた)、

sumikaのLoversという曲でした。
もう一曲友達の曲を歌います。」

と最低限のMCを挟む。

続いて歌ったのがNICO Touches the Wallsの「夏の大三角形」だった。昨年、突然活動を終えた、デビュー前からの仲であるバンドの曲だ。
こちらもアルペジオでしっとりと歌い上げる。友達の歌だから、言葉1つ1つ大事に。抑揚の付け方から、言葉の重みを感じた。


NICO Touches the Wallsの夏の大三角形という曲でした。
では最後にUNISON SQUARE GARDENの曲を歌って終わります。」

また、最低限のMCを挟む。
彼は、ステージ上で発する言葉に余計な要素が一切なかった。

アカペラで歌い始めたのは、「黄昏インザスパイ」である。最後は有名な曲、言ってしまえば「シュガーソングとビターステップ」とか「オリオンをなぞる」とかを歌うのかと思っていたので、意外性がありまくる曲選びに開いた口が塞がらない。
彼のアカペラは抑揚をかなりつけられていて、もうほかの人が入る隙がないくらいに綺麗に歌い上げられた。
2番からギター入る。ギターが入るまでも、ギターのネックを握ることが多く、普段ギターボーカリストとしてステージに立っているからこそ、ギターをひかないことに落ち着かないのかなと見ながら思った。

歌詞の言葉がどれも心に染み渡る。
この環境下、ネガティブになりがちな世の中であることを気にして選曲してくれたのかもしれない。
そんな彼の人間性が私は素敵だなと思った。

曲が終わると、
「ありがとうございました!」
とだけ言い、すぐにステージを去っていった。


備忘録
フェンダーの赤いストラト、この前のFenderの動画に登場したエレアコの2つ使い。
黒Tシャツ、靴はBIGMAMAの金井さんから貰ったというよく履いてる靴

メインで使用していたギターは、この動画内で特徴が説明されています。


ACOUSTASONIC TELE or STRAT ? Vol.1(前編)| 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN / XIIX)

ACOUSTASONIC TELE or STRAT ? Vol.1(後編)| 斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN / XIIX)

あとがき

本来、3月に開催され、私も行く予定だったこのイベントが、新たな形として見ることができた。
それ自体がとにかく貴重なことだった。
近頃は、ウイルスの感染拡大のみならず、雨による世の中の混乱もあり、決して明るい世界で生きているとは言えない状態だった。だからこそ、音楽の力を借りたくなる。斎藤さんに限らず、今回素敵な音楽を披露してくださった出演者の方の力により、一縷の光が差した。
これだから、音楽好きは辞められないんだよねと改めて思う私でした。


LIVE HOLIC extra vol.4 another edeition 2020.07.28
1.meet the world time
2.Lovers(sumika)
3.夏の大三角形(NICO Touches the Walls)
4.黄昏インザスパ